こんにちは!柔整師の奥永です。
今回はフォースカップルについてお話します。
フォースカップルとは日本語で偶力といい、反対方向に互いが均等な力を発揮することですが、
人間の身体で主に肩関節・股関節に見られます。
この二つは関節の中でも球関節という分類になり、
関節窩(受け皿)が半球になっており、そこに球状の関節頭がはまり込む関節で、
可動域の大きい関節になります。
可動域が大きい分不安定な関節ですが、様々な筋肉や靭帯、関節唇などによって安定します。
このような関節はインナーマッスルとアウターマッスルの働きが重要になりますが、
その中でもフォースカップルによる運動を今回は説明していきます。
【三角筋と棘上筋】
・三角筋…アウターマッスル。肩峰や鎖骨から上腕骨三角筋粗面に走行。外転30°~120°。
・棘上筋…インナーマッスル。肩甲棘上窩から上腕大結節に走行。骨頭を関節窩に押し寄せる。外転30°。
どちらの筋肉も肩関節の外転に関与する筋肉です。
肩関節を外転する際、肩関節外転:肩甲骨上方回旋=2:1の割合で動く肩甲上腕リズムという動きをします。
要するに腕を2°上げると肩甲骨は1°回るということです。
この動きの際にフォースカップルが働きますが、
もし外転の際にアウターマッスルの三角筋のみが働くと、上腕骨は上方に突き上げられ、肩関節のインピンジメントと怪我に繋がってしまいます。
そこでインナーマッスルの棘上筋が同時に働くと、骨頭を関節窩に押し寄せながら、三角筋との筋緊張がバランスを取り、
肩関節を支点に回転運動が可能になり、スムーズに外転ができるようになります。
アウターマッスルである三角筋ばかりトレーニングしてしまうと、
インナーマッスルとのバランスの乱れ→フォースカップルに影響→肩甲上腕リズムの乱れ→ケガに繋がります。
トレーニングの際は、アウターマッスルとインナーマッスルをバランスよく鍛えましょう。
【前鋸筋と僧帽筋】
・僧帽筋…脊柱から鎖骨や肩甲骨に走行。上部:上方回旋、中部:内転、下部:上方回旋の補助。
・前鋸筋…肋骨から肩甲骨内縁に走行。肩甲骨の外転、上方回旋。
肩関節外転時、僧帽筋中部の内転作用と前鋸筋の外転作用のフォースカップルにより引っ張り合い固定され、
僧帽筋上部、前鋸筋の上方回旋で肩甲上腕リズムができます。
ただこのままだと肩甲骨が斜め上にスライドしてしまうため、
僧帽筋下部が下方に引っ張り上方回旋の補助を行います。
僧帽筋や前鋸筋は肩甲骨を胸郭に押し寄せる作用もあり、
肩甲胸郭関節を安定させ、肩関節運動がスムーズになります。
普段何気なく腕を上げていますが、たくさんの筋肉により動けています。
肩のエラーが起こった時、そのたくさんの筋肉から原因となる筋肉を見極めアプローチしなければなりません。
不調を感じた際はいつでもお越しください。
アイズスポーツ整骨院 西新院
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