こんにちは!柔整師の奥永です。
前回に引き続き筋トレが睡眠の与える効果について説明していきます。
筋トレは睡眠の時間は増やさないが、睡眠の質を高める
筋トレは睡眠の質にどのような影響を与えているのでしょうか。
運動が睡眠に良い影響を与えるというエビデンスの多くは、ジョギングなどの有酸素運動に限られていました。
ある研究の結論は次のようなものでした。
「筋トレは睡眠の時間は増やさないが睡眠の質を高める」
習慣的に筋トレを行っている人の場合、睡眠時間は増えないものの、
ステージ1の睡眠が減少し、徐波睡眠が増加することが示されました。
つまりステージ1の睡眠が減少と徐波睡眠の増加という相乗効果によって「深い睡眠」を獲得し、睡眠の質が高まっているのです。
さらに筋トレの「総負荷量」と「週の頻度」が睡眠に与える影響についても統計的な解析が行われました。
その結果、「総負荷量」と「週の頻度」は睡眠の質の改善に寄与することが分かりました。
「総負荷量」はトレーニング強度や回数、セット数を乗じたものです。
睡眠の質は少ない総負荷量よりも高い総負荷量で改善し、
少ない頻度(週1~2回)よりも多い頻度(週3回)で改善することが示されました。
しかしながら筋トレのみの検証であり、
他の睡眠に良いとされる運動(有酸素運動やヨガ)と比較した優位性は示されていませんでした。
筋トレが睡眠の質を高めるメカニズム
筋トレが睡眠の質を改善させる要因として体温の上昇、心拍数の増加、
不安の軽減、グルコース代謝・成長ホルモンの増加が挙げられています。
筋トレを行うことによって、睡眠中の体温が上昇することが分かっています。
この体温の上昇が深いノンレム睡眠(徐波睡眠)を誘発すると考えられています。
また筋トレによる心拍数の増加が迷走神経を活性化させ、
結果的に睡眠時の心拍数が低下することで睡眠の質が改善されることが報告されています。
更に、筋トレが不安を軽減することが分かっています。
気分の改善は脳由来の神経栄養因子(BDNF)の増加に寄与し、これが睡眠の質の改善に繋がると示唆されています。
そして筋トレによるグルコース代謝の改善や成長ホルモンの増加など睡眠の質を改善する可能性があるとされています。
特に筋トレによる不安やうつ症状などの精神状態の改善が睡眠の質の改善に寄与していると推察しています。
最後にまとめておきましょう。
・習慣的に筋トレをすることで、睡眠の質を高めることが示唆されています。
・特にトレーニングの総負荷量を高めること、週の頻度を多くすることが有効です。
・筋トレは運動や栄養介入の中で最も睡眠の質を高める効果的な方法であることが示唆されています。
不安や悩み事でぐっすり眠れない時には、睡眠導入剤などの薬に頼る前に、
筋トレの頻度を増やして、励んでみるのもいいかもしれません。
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