筋肉痛の原因

こんにちは!柔整師の奥永です。

今回は筋肉痛について説明していきます。


筋肉痛とは?

筋肉痛とは運動に伴って起こる筋肉の痛みです。

一般的には、運動が終わった数時間から翌日~翌々日というように、

時間を置いて起こる「遅発性筋痛」が、「筋肉痛」と呼ばれています。

慣れない運動を行った時に、普段使わない筋肉を使いすぎた場合に顕著に現れます。


筋肉痛の原因は運動によって傷ついた筋繊維を修復するときに起こる痛み

筋肉痛のメカニズムは、医学的にははっきりと解明されていません。

かつては、運動したときに生じる疲労物質「乳酸」の蓄積が原因だとする説もありましたが、その矛盾点が指摘されていることから、

現在は運動によって傷ついた筋繊維を修復しようとするときに起こる痛みであるという説が有力となっています。


1.普段使わない筋肉を突然使ったり、同じ筋肉を使いすぎたりすることで、

筋肉を構成している繊維(=筋繊維)や周りの結合組織に微細な傷がつく。

2.損傷した筋繊維を修復するために白血球を中心とした血液成分が集まる。

この時に「炎症」が起き、刺激物質(ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジン)が生産され、

筋膜(筋肉を包む膜)を刺激する。

それが感覚中枢を介し、痛みとして感じる。


つまり筋肉痛とは、傷ついた筋繊維を修復する過程で炎症が起き、

生成された刺激物質が筋膜を刺激して起こるものと考えられています。


何故時間を置いて痛むのか?

筋繊維そのものには痛みを感じる神経はありません。

痛みは、炎症が広がって発痛物質が筋膜に届くようになってから感じるため、時間差があると考えられています。

普段からよく動かしている筋肉には、、筋肉に血液を送る毛細血管がよく発達しています。

一方、あまり使っていない筋肉には、毛細血管が十分に巡らされていません。

その為、急激にその筋肉を動かしても、損傷した筋繊維に血液成分が集まるまで時間がかかり、

更に発痛物質が生産されるまで時間がかかるとも考えられています。

日頃からよく筋肉を使っている人は、少々筋繊維を痛めても修復がすぐに進む=筋肉痛が起こりにくいのかもしれません。

ちなみに「歳を重ねると筋肉痛が遅く出る」と言われていますが、これも定かではありません。

同じ運動をした後の筋肉痛の出方に年齢による時間差は認められなかったとする調査報告もみられています。


筋肉痛になりやすい運動とは

私達は運動をするとき、筋肉を収縮させて力を発揮しています。この筋肉の収縮運動は、以下の3種類に分けられます。

・伸びながら力を発揮するエキセントリック(伸張性)運動:重い荷物を下ろす、階段を降りるなど

・縮みながら力を発揮するコンセントリック(短縮性)運動:重い荷物を持ち上げる、階段を上がるなど

・伸縮なく力を発揮するアイソメトリック(等尺性)運動:腕相撲など

に分けられます。

このうち、特に筋肉痛になりやすいのがエキセントリック運動です。

筋肉を伸ばすときの方が筋繊維への負荷が大きくなるため、損傷が起こりやすくなるからです。

階段を降りるとき、坂道を下るとき、重い物を下ろすときなどは、ゆっくり動作すると筋肉痛が期待できます。


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