こんにちは!柔道整復師の奥永です。
今回はアルコールによる筋障害「アルコール性ミオパチー」について説明します。
飲酒の翌日に筋肉痛のような症状を経験したことはありませんか?
これは「急性アルコール性ミオパチー」と呼ばれる症状の1つで、運動後に起こる筋肉痛とは大きく異なります。
原因や対策方法について解説していきます。
お酒の後の筋肉痛…?
どうしてもお酒を飲みすぎるということがあると思います。
二日酔いはアルコールを肝臓で処理しきれていないことや、脱水症状によって起こるものです。
お酒の飲みすぎは二日酔いに他に、筋肉痛のような症状が出る「急性アルコール性ミオパチー」を引き起こす恐れがあります。
急性アルコール性ミオパチーって?
アルコールを飲みすぎたときに、筋肉痛や浮腫み、筋力低下などの症状が出ることを「急性アルコール性ミオパチー」といいます。
急性アルコール性ミオパチーは低カリウム血症を伴うもの、
横紋筋の壊死を伴うものの2つに分けられますが、後者は稀だとされています。
アルコールを多く飲む人は、筋肉機能の調節に関わる「カリウム」が欠乏しやすいです。
下痢や利尿剤の飲用などをきっかけに、低カリウム血症を伴う急性アルコール性ミオパチーになる恐れがあります。
またアルコールを長期にわたり大量に飲酒すると、高い確率で末梢神経の障害を発症する可能性があります。
〇運動後に感じる筋肉痛の違いについて
運動後に感じる筋肉痛あ、慣れない運動やトレーニングによって傷ついた筋肉(筋繊維)を修復する際に起こる炎症反応によるものです。
運動をした数時間~数日後に発生し、筋肉が熱を持っているように感じたり、痛みのある部分が腫れたりします。
一方、急性アルコール性ミオパチーでは、筋肉の痛みの他に筋力低下や脱力感をおぼえることがあります。
特に身体の中心部に近い筋肉に、左右対称の症状が現れやすいのが特徴です。
「慢性アルコール性ミオパチー」になる可能性も!
慢性アルコール性ミオパチーとは、数週間~数か月にわたって徐々に筋力が低下する症状です。
また、慢性的にアルコールを摂ると、筋肉量が低下することが明らかになっています。
急性アルコール性ミオパチーとは異なり、慢性アルコール性ミオパチーでは筋肉の痛み、痙攣などの症状を感じることは稀です。
アルコール筋症のなかでも、無症候性の慢性アルコール性ミオパチーが中心だと言われています。
慢性アルコール性ミオパチーは、長期にわたって大量にアルコールを摂ると起こりやすいことが明らかになっています。
障害にわたって飲酒した量と関連している為、30代以下で発症することはほとんどありません。
40~60代の人に見られやすい症状だと考えられます。
急性アルコール性ミオパチーを対策する方法
〇飲みすぎない
急性アルコール性ミオパチーは、一度にアルコール飲料を4~5杯飲むといったように、
多量飲酒をした際に起こる恐れがあります。
飲酒する際は、適量を心がけることが大切です。
1日当たりの適度な飲酒量は、純アルコールで20g程度が目安です。
日本酒では一合、ビールは中瓶一本、ウイスキーではダブル一杯に相当します。
なお、女性や65歳以上の方は、より少ない量にすることが推奨されています。
〇下痢気味のときは飲まない
低カリウム血症が伴う急性アルコール性ミオパチーは、下痢や嘔吐をきっかけに発症するケースがあります。
実際に、慢性的な下痢の症状がある人がウイスキーを多飲し、急性アルコール性ミオパチーを発症しています。
急性アルコール性ミオパチーに繋がる恐れがあるため、下痢気味のときはアルコール飲料を飲まないようにしましょう。
また、長期にわたって下痢が続く場合はセルフケアで済ませず、病院で診察を受けましょう。
急性アルコール性ミオパチーに注意しましょう!
急性アルコール性ミオパチーはアルコールの飲みすぎによって起こる症状です。
筋肉の痛みの他に、脱力感や筋力低下などをおぼえることがあります。
身体の中心に近い筋肉に起こりやすいのが特徴です。
また、長期にわたってアルコールを多く摂取していると、慢性アルコール性ミオパチーに繋がる恐れがあります。
アルコールは適量の摂取を心がけ、飲みすぎないように充分に注意しましょう。
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