肥満には「健康な肥満」と「不健康な肥満」がある

肥満には、健康な肥満と不健康な肥満があることはご存知でしょうか?

脂肪は、蓄積される部位によって内臓脂肪と皮下脂肪に分けられます。一般的には、脂肪全体の2割が内臓脂肪であり、8割が皮下脂肪とされます。中年男性に見られるようなぽっこりお腹の肥満は、内臓脂肪が蓄積しているタイプの肥満であり、これは「内臓脂肪型肥満(りんご型)」といいます。これに対して、太もも(大腿部)や臀部の皮下に脂肪が蓄積しているタイプの肥満を「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型)」といいます。

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 どちらの肥満が健康に悪いのかというと「内臓脂肪型肥満」になります。なぜなら、内臓脂肪型肥満は、皮下脂肪型肥満よりも生活習慣病との関連が高く、糖尿病や高血圧、脂質異常症の危険因子とされているからです。ぽっこりお腹は不健康の象徴なのです。


 では、なぜ、内臓脂肪型肥満では生活習慣病のリスクが高くなるのでしょうか?


 その理由のひとつが「脂肪肝の発症」です。


 内臓脂肪は皮下脂肪よりも分解しやすい特徴があります。内臓脂肪が蓄積したぽっこりお腹になると、空腹時には内臓脂肪が分解され、血液中に多くの脂肪酸が放出されます。内臓脂肪は小腸から肝臓につながっている門脈と密接であり、放出された脂肪酸は門脈を通じて肝臓に送られます。すると、肝臓に脂肪が蓄積してしまい「脂肪肝」が生じてしまいます。脂肪肝脂質異常症を生じさせ、狭心症心筋梗塞など心疾患の合併率が高く、生活習慣病の温床となることが示唆されています(Després JP, 2006)。


 もうひとつの理由が「アディポサイトカインの分泌異常」です。


 脂肪はさまざまな生理機能をもつ物質を分泌しており、これをアディポサイトカインといいます。アディポサイトカインは全身のエネルギー代謝に大きな影響を与えており、糖尿病の原因であるインスリン抵抗性に関与するTNFα、レジスチン、高血圧に関与するアンギオテンシノーゲン、動脈効果に関与するPAI-1などは、主に内臓脂肪から分泌することが示唆されています(Higashida K,  2013)。

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 このように、内臓脂肪が多く蓄積すると、脂肪肝の発症リスクを高めるとともに、アディポサイトカインの分泌異常によって糖尿病や高血圧といった生活習慣病のリスクを高めてしまいます。同じ肥満でもぽっこりお腹の内臓脂肪型肥満は、皮下脂肪の多い皮下脂肪型肥満よりも「不健康な肥満」なのです。


 ダイエットで内臓脂肪を減らすことは、生活習慣病のリスクを減らすという重要な意味をもっており、たとえダイエットをして体重を減らしたとしても、内臓脂肪が十分に減らないようではダイエットの真の成功とは言えないのです。


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