こんにちは。
トレーナーの内山です。
前回のブログにて、「タンパク質が食欲を減らす」ということについて少し記しました。
今回は、タンパク質が食欲を減らすメカニズムについてです。
まずは、食欲は我々が生きていくために必要な3大欲求のひとつです。
食欲をしっかりと働かせるために、脳の視床下部にある摂食中枢と満腹中枢は、さまざまなセンサーを介して全身のエネルギー状態を感知しています。
そのひとつが血液中の「グルコース及びインスリン」と「脂肪酸」です。
エネルギーを消費していると、徐々に血液中のグルコースが減っていきます。
これに応じてインスリンの分泌量も減っていきます。すると脂肪細胞から脂肪酸が分泌され、血液中の脂肪酸が増えます。
この「血液中のグルコースとインスリンの減少、脂肪酸の増加」信号となり、
視床下部の摂食中枢にある神経が活性化します。
そこで食事をすると、血液中のグルコースが増えて、それを肝臓や筋肉に取り込むためにインスリンの分泌も増えます。
すると脂肪酸が減り、視床下部の満腹中枢の神経が活性化します。
二つ目のセンサーが腸の消化器官ホルモンである「CCK、GLP-1、PYY」です。
お腹が空くと腸はゆるくなり、お腹いっぱい食べると腸は張って伸ばされます。
このゆるみと張りによって分泌されているのが腸の消化管ホルモンであるCCK,GLP-1、PYYです。
CCKやGLP-1、PYYは食欲を抑える信号を発する役割があり、空腹時には分泌が減ります。
満腹時には分泌を増やすことで満腹中枢を活性化させます。
三つ目のセンサーが胃で産生されるペプチドホルモンである「グレリン」です。
お腹が空くと胃は緩くなります。この緩みを感知して分泌されるのがグレリンです。
グレリンの分泌が増えると、視床下部の摂食中枢が活性化して「お腹がすいた」と感じます。
食事をすると胃が張り、グレリンの分泌が抑えられて摂食中枢の活性化が収まります。
このように空腹時には、血液中のグルコースやインスリンが減少して脂肪酸が増加し、腸のCCK,GLP-1、PYYの分泌が減り、胃のグレリンの分泌が増加することによって視床下部の摂食中枢が活性化して「お腹がすいた」と感じ食欲が喚起されます。
反対に満腹時には、血液中のグルコースやインスリンが増え、脂肪酸が減ります。また胃のグレリンが減り、腸のCCK、GLP-1、PYYの分泌が増えることで満腹中枢が活性化して「お腹いっぱい」と満腹感を感じるのです。
以上のメカニズムで「お腹が空いた」、「お腹がいっぱい」と感じることができます。
次回のブログにて、タンパク質が食欲を減らすメカニズムを記していきます。
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