筋肉量を減らさないダイエットの食事方法!?

こんにちは! 

トレーナー内山です。 


前回ダイエットすると筋肉量や筋量が低下してしまうメカニズムに関して記事を書きました。 

今回は、どうしたら筋肉量を減らさずにダイエットをできるかについてです。 

 

まず、「筋肉の量が多い」ということは、多くのメリットを与えてくれます。  

筋肉量が多いことは、筋力を強くするだけでなく安静時のエネルギー消費量を高め、食後のグルコース代謝などエネルギー代謝を促進させます。また、病気による死亡率を低下させます 

    

超高齢化社会を迎える日本では、筋肉量の重要性がますます高まっています。 

なぜなら、僕たちは加齢によって筋肉を失っていくからです。 

40歳を超えると全身の筋肉量は徐々に減少しはじめ、79歳までに男性で10.8%、女性で6.4%減少することが示唆されています。 

 

  

筋肉量は健康においても、外見的な魅力を高めるためも重要なのですが、僕たちは加齢とともにこの大切な筋肉を失っていく運命にあるのです 

  

そして、良かれと思って取り組んだことが、結果的に筋肉量を減らしてしまうことがあります。 

 それが「ダイエット」です。 

  

糖質制限や低炭水化物ダイエットのようなエネルギー(カロリー)制限をするダイエットを行うと、筋肉のもととなる筋タンパク質の合成量が減ってしまい、筋肉量が減ってしまうことが示唆されています。 

  

健康や外見的な魅力を高めようとしてダイエットした結果、筋肉量も減ってしまっては本末転倒です。

真に目指すべきダイエットとは「筋肉量を維持しながら、脂肪量を減らす」ことのはずです。 

  

では、筋肉量を減らさず、脂肪量だけを減らすことはできるのでしょうか? 

今回は、筋肉を減らさないダイエットの「食事」についてです。 

  

しかしながら、炭水化物の摂取量を減らすエネルギー制限ダイエットは減量効果の高い方法です。

では、筋肉量を減らさないためにはどうすれば良いのかというと、筋タンパク質の合成量を高める

「もうひとつの栄養素」の摂取量を増やせば良いのです。 

  

それが「タンパク質」です。

特に、「乳製品の摂取」が鍵となっています。


実際に2016年にエネルギー制限ダイエットにおける筋肉量の減少に対するタンパク質の摂取の影響について「乳製品の摂取」にフォーカスした比較試験が行われています。  

これまでに27のランダム化比較試験が米国で行われました

  

エネルギー制限は1日あたり>500kcalであり、介入期間は8〜24週間(中央値16週間)でした。ほとんどの研究で食事内容を乳製品(+2〜4サービング)または乳清プロテイン(平均+52g)に置き換え、エネルギー摂取量が調整されました。 

  

乳製品は牛乳(全乳または低脂肪)、ヨーグルト、チーズ、これらを含む混合乳製品が摂取され、乳清プロテインはホエイやカゼイン・サプリメントが摂取されました。 

  

その結果、乳製品などを摂取したグループで体重(-1.16 kg)と体脂肪量(-1.49 kg)の減少が認められました。また、除脂肪量(≒筋肉量)の減少は、対照群が0.56kgであったのに対して、乳製品などを摂取したグループでは0.12kgに抑えられ、これは除脂肪量の減少が75%抑えられたことを意味しています。

  

これらの結果から、エネルギー制限ダイエットにおいて、その食事内容を乳製品や乳清プロテインに置き換えることが、体重や脂肪量の減少を促進するだけでなく、筋肉量の減少を75%も抑えることが示唆されたのです。 

  

また、2018年には、エネルギー制限ダイエットにおける乳製品の摂取が体重や筋肉量だけでなく、ウエスト周径への影響を含めた試験結果を報告しています。 

  

被験者184,802名を含む37のランダム化比較試験(RCT)が解析の対象となり、エネルギー制限は500-600kcal、介入期間は1-36ヶ月、乳製品は牛乳(低脂肪や無脂肪)、ヨーグルト、チーズが主に摂取されました。 

  

その結果、エネルギー制限ダイエットで乳製品を摂取したグループは、そうでないグループよりも体重(-0.64 kg)や脂肪量(-0.56 kg)の減少だけでなく、ウエスト周囲(-2.18 cm)の減少が認められました。さらに、筋肉量の増加(+0.43 kg)が認められたのです。 

 

  

しかしながら、これらの効果は、エネルギー制限ダイエットをしない場合では、逆に体重の増加傾向に寄与することがわかりました。 

これらの結果から、エネルギー制限ダイエットを行う場合にのみ、乳製品の摂取を増やすことは、体重や脂肪量だけでなく、ウエスト周囲の減少に寄与し、さらには筋肉量の減少を予防する効果があると結論づけています。 

 

紹介した2つの結果は、被験者の男女比で女性が多いことや異質性(研究結果のバラツキ)が高いことなどから、もう少し試験が必要とされています。

  

しかしながら、現時点でのエビデンスとして、エネルギー制限ダイエットの際に食事内容を乳製品に置き換えることによって体重、脂肪量、ウエスト周りを減少させ、さらには筋肉量の減少を抑えることが証明されています 

  

エネルギー制限ダイエットを行う際には、1日のエネルギー摂取量の中に牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品を2〜4つ、またはホエイやカゼインといった乳清プロテインであれば50g程度を含めて摂取するようにしてみましょう。 

  

ぜひ、朝・昼・晩のバランスの取れた食事に、プラスαで乳製品を追加してみてはいかがでしょうか? 


 



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